攻めの姿勢で道を拓く。「日本一のチームワーク」で世界を動かす挑戦を。
攻めの姿勢で道を拓く。
「日本一のチームワーク」で世界を動かす挑戦を。
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大橋 知佳
Chika OHASHI
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ベーシックマテリアルズ本部 メタノール・アンモニア事業部
クリーンアンモニア事業開発室2018年新卒入社。化学品セグメントにて石油系化学原料の物流業務に従事したのち、事業開発室に異動し、クリーンアンモニアの案件開発を担当。
大学時代、ラクロスの学生日本一を経験し、個人としてもU-19ワールドカップの日本代表選手として活躍した大橋さん。「就職後もチームワークを活かせる仕事がしたい」という思いが大橋さんを三井物産へと導きました。その道のりは、いつしか日本初となるクリーンアンモニアビジネスへの挑戦へとつながっていきます。自ら一歩踏み出す姿勢と、「人の強み」を中心に据えながら丁寧に生み出すチームワーク。その両輪で道を切り拓いてきた大橋さんの、生き方と仕事への向き合い方をお聞きしました。
Chika’s Story
Chika’s Story
人生には、この瞬間にしかできないことがあるから。
覚悟を決めて、進むだけ。
貢献への喜びと、誇りが膨らんでいく。
すべては私次第だと気づいた日から、ずっと、夢中のまま。
チャンスも、仕事も、
自分から掴み取りたい。
どうしてもやりたいことは、リスクをとってでも挑戦した方がいい。そう思えるようになった原点は、大学時代、ラクロスのU-19ワールドカップ日本代表選考にあります。ずっと夢だった日本代表。大会期間は図らずも大学のテスト期間と全て重なっており、仮に代表に選ばれた場合、その学期の単位を全て落とすことが確定していました。それでも「どうしても」の想いで選考に参加しました。
選考では初対面の選手たちと即席でチームを組んで試合をし、その様子を審査されます。自分はできるだけ早く仲間の強みを見抜き、素直に意見を言い合える関係を築きながらチームワークを最大限引き出すようプレーしました。その姿勢が評価され、代表に選出。スコットランドでの大会で君が代を歌った瞬間、「自分が日の丸を背負っているんだ」という実感が湧き、嬉しさが込み上げました。大会ではベスト6、やり切ったと思える素晴らしい経験でしたし、4年生の12月には大学ラクロスの日本一にも輝きました。単位も後から必死に揃えて卒業。振り返れば、「リスク」なんて大したことなかったんですよね。もちろん努力とセットではありますが、得られたものの大きさの方が胸に残っています。
ラクロスへの没頭を通じて、自分はチームで成果を出すのが心底好きなんだと自覚したことが就職活動の軸になっていきました。ワンチームで働けて、海外に関われて、ビジネスの規模が大きくて……と希望を出していくと、自然と総合商社が候補になりました。中でも三井物産には職種や立場に関わらず自分で仕事をつくりにいける文化があり、強く惹かれました。私はチームの目標に向けて何をしたらいいかを考え、働きかけるのが得意です。願わくば仕事でも、誰かの仕事を支えるだけでなく、主体的に動ける環境で自らアクションしながらチームを前へ進めたい。その方がきっと仕事は面白くなる。そう考えた時、三井物産は自分に最も合ったフィールドなんじゃないか……その予感は間違っていなかったと思います。
「ファーストムーバー」だからこその、
大きな期待と困難。
入社してから一度の異動を経て、現在クリーンアンモニアの事業開発を担当しています。次世代の低炭素エネルギーであるクリーンアンモニアは社内外から注目されている事業で、正式にアサインされているメンバーだけで20人以上、関わっている人は100人を超えます。その中でBI職は私を含めてたった2人。2人で国内外から集まってくるありとあらゆる情報を精査し、まとめ、巨額の投資判断を行う上での正確な基礎資料を作っていく。しかも法令が整備されていないほどの新しい事業であるため、いわゆる「ファーストムーバー」として、社内の他部署のみならず各省庁とも連携しながら道を作っていかねばならない。リスクも責任も大きく、プレッシャーもありましたが、旗振り役として多数の関係者の協力を仰ぎ、視点や意見を幅広く取り入れることをカギとして一つずつ関門を突破していく毎日は非常に刺激的でした。
「こんな仕事に携わるチャンスまであるのか!」と驚いたのが、米国にクリーンアンモニアの生産拠点を開発する際に、現地の関係会社設立と運営ルールづくりを自分でイチから行ったことです。「海外での関係会社設立」ならば社内にいくらでも前例があるのではないかと思いきや、意外にも共通のマニュアルはありませんでした。国や地域によって会社設立の条件があまりにも異なるため、毎回個別で考えていく必要があったのです。三井物産としての基準に沿いつつ、事業特性も鑑みながら、同時に現地の法や慣習にも適合させて、いかに内部統制の効いた状態で会社を誕生させることができるか。調整すべきことは多岐に渡り、頭を抱えた日もありました。実はプロジェクト全体の中でもこうした「日米の制度のすり合わせ」や「双方に新しい強みを得る形での日米協業のあり方の模索」といった局面は何度も訪れ、それが最もハードなポイントでした。しかし同時にそれは「自分は今、本当に新しいことをやっている」という実感につながる瞬間でもありました。全ての山を乗り越えてFID(最終投資判断)に至り、チームを代表して私が経営層にFIDの報告をした瞬間は忘れられません。
先手で動いたことが、
自分の専門性になっていく。
そもそもクリーンアンモニアという環境系の事業への興味が芽生えたのも、三井物産での経験がきっかけです。入社して4年目、「もう少し新しい世界も見て成長したい」と、自ら志願してサーキュラーエコノミーのタスクフォースに参加しました。当時の自分の主たる業務は石油系化学原料の物流でしたが、それを担当する自分がタスクフォースに参加して「化学品事業の存続にはどんなアプローチが必要なのか」を考えるのは、確実にプラスになるだろうと思ってのことでした。
このタスクフォースでは実際にお客さまのところへ出向き、資源循環可能なプラスチックへの切り替えを営業するという経験をしました。最終商品やサービスを形作るブランド様が環境に良いプラスチックを採用したら、遡って上流の原料メーカーの価値観にも必ず影響を与える。ひいては化学という業界全体が変わっていく。そんな視座での取組みでした。現実には、賛同してくれる方もいましたし、興味を持っていただけないお客さまもいました。でもたとえ一社でも自分の働きかけで採用に動いてくれるのであれば、そこから間違いなく現実が変わっていく。そんな手応えが深く刻まれ、以来、どんな仕事でも漫然とこなすのではなく、自分なりの意味や意義を掴み取ることを意識するようになりました。
その後、三井物産としてISCC PLUS*という認証の取得が将来のあらゆる取引にプラスの面を生むのではないか議論し、実際の取得プロセスを主担当として行うことになりました。取得当時は化学品の商流に関わる部分でのみ認証を使用しておりましたが、年々活用が広がってきており、現在までに社内の複数のセグメントから「うちも使いたい。やり方を教えて欲しい」という問い合わせが来ています。おそらくは三井物産の中で最もこの認証に詳しい一人が私。問い合わせには全て対応していますし、トレンドに先駆けて取得するという、いわば「攻めの姿勢」が全社的に功を奏したことが実感できる、嬉しい経験でもありました。
*ISCC PLUS:「International Sustainability & Carbon Certification」の略称で、「国際持続可能性カーボン認証」と訳される、バイオマスやリサイクル原材料の持続可能性認証プログラム。グローバルなサプライチェーンを通して原料の持続可能性を管理・担保する認証制度として広く認知されている。
自分の強みを磨き、仲間の強みに詳しくなる。
それが次なる挑戦を開く。
私の座右の銘は“起・承・転・マイウェイ”。どんなに困難に見えることも、挑戦してみれば自分の努力によってきちんと前に進むことができ、その先で自分らしい道へと繋がっていくのだということです。これはさまざまなことを乗り越えてきて自信がついたからこそ言える言葉でもありますし、また「どれだけ先に案じても、現実は意外と案じた通りにはならないものだ」という率直な思いの表れでもあります。困難は必ずやってくるのだから、堂々と受け止めて、自分で選択して進んでいこう。その選択に責任を持とう。それが今の自分が心がけていることです。
現在、私はクリーンアンモニア事業に関わる新規プロジェクトにおいて、過去の物流業務での経験を活かす形で参加しています。直近の目標としては、そのプロジェクト稼働まで自分が見届けたい、そしてそれまでにもっと社内外で多くの人と関係性を築き、何か困り事が起きても「これは◯◯さんが一番詳しい」「これは◯◯社の◯◯さんに問い合わせればいい」と即座に分かるようになっておきたいと思っています。仕事でもスポーツでも、チームワークの原点は、人を知り、それぞれの強みを知ること。知った上で引き出して、スピード感を持って仕事全体が前に進むように活かしていくこと。私自身が責任を持ってその橋渡しの一つ一つを行った先に、大きな判断や日本で初めてと言える大きな挑戦があります。その光景を思い描き、常に周囲を広く見渡しながら、私自身もビジネスのフィールドを思い切り走っていきたいと思っています。