スマートフォンからアフリカまで、「偶然のキャリア」を歩む面白さ
スマートフォンからアフリカまで、
「偶然のキャリア」を歩む面白さ
-
繁延 忠
Tadashi SHIGENOBU
-
2009年 新卒入社
ニュートリション・アグリカルチャー本部
アグリソリューション事業部アフリカ事業開発室
ミッション・業務
年月日 |
キャリア人材モデル
|
---|---|
2009年4月 |
入社。パフォーマンスマテリアルズ本部の先端材料事業部に配属。スマートフォンに使われる電子材料等の輸出入を担当。
物流アドミニストレーター
BtoBマーケター
|
2013年9月 |
早期海外派遣制度で研修員として、10カ月間マレーシアで勤務。日系顧客企業の現地ビジネス立上支援・新規事業検討に従事。
BtoBマーケター
|
2017年11月 |
ニュートリション・アグリカルチャー本部硫黄硫酸事業室に異動。硫黄のトレーディングを担当。新たな部署で石油化学業界の事業モデルを学ぶ。
BtoBマーケター
トレーダー
|
2022年5月 |
アフリカ事業開発室に異動。三井物産が出資するアフリカ総合商社ETGへの出向を通じ、新規事業開拓・サプライチェーンの構築を行う予定。
事業管理・バリューアップマネージャー
|
特異なスキルを持たない就職活動 三井物産なら「何かが見つかるかも」
特別なスキルはない。自分が何をやりたいのかも分からない。それが就職活動を始めたときの私の率直な思いでした。手探り状態のまま、いくつもの企業を回る中で、三井物産に社員訪問をしたときのことです。三井物産は大企業ではあるものの、総合商社として貿易や投資を行う事業や商品単位で見ると意外と少人数体制のケースも少なくないと知り、やりたいことが定まっていない私にとって、さまざまな業界・商材を経験できる環境が魅力的に思えました。 実際、入社後はさまざまな業務を担当できました。最初はパフォーマンスマテリアルズ(PM)本部の先端材料事業部に配属。世の中に浸透し始めたスマートフォンに使われる回路基板や液晶ディスプレイなどの電子材料の輸出入を行う物流業務からスタートしました。4年目には、早期海外派遣制度で10カ月間マレーシアへ。研修員として、現地で出会った様々な方々に海外での商売スキルを学ばせていただきながら、新規事業を模索しました。そして、日本に帰ってきて2年後、最初の大きな転機は、突然訪れました。
大きな転機は突然やってくる 新天地へのチャレンジが待ち遠しい
ある時、上司から「硫黄のトレーディングに興味ある?」と全く商売経験が無い部署への異動の打診をされたのです。その当時、同じ部署に8年在籍しており、「長居している方かな」という自覚はありました。 上司は「無理にとは言わない」と言ってくれましたが、自分の全く知らない世界に飛び込むのは今しかないと思い切って受けることに。異動先は、それまで扱ってきたスマートフォンに使われる商材とは大きく異なる石油化学品の領域です。同じような物流業務でも、商材が違えばやはり勝手は違います。新たな世界に飛び込むチャンスがあるなら、挑戦したいし、結果も残したい。そんな思いで新しい仕事に向き合い、素人の私は社内外の方々に助けられながら、商売に求められるスキルを一つずつ身に付け、業界の中で少しずつ認めてもらえるようになってきた2022年に、再びあの質問をされたのです。 「アフリカに興味ある?」 最初は戸惑いました。なぜなら、アフリカ大陸には50以上の国が集まっていることも知らなければ、勤務予定地となるヨハネスブルグがどこに位置するのかすら知らなかったからです。それでも、新たな業界へ飛び込む偶然のチャンスに再び飛び込んでみたいと思い、2度目の打診も思い切って挑戦してみることにしました。 出向予定先は、三井物産が32%出資するETGという企業です。アフリカにおける総合商社を目指し、事業拡大とサプライチェーンの構築が私の役割。部署の先輩方の中には、アフリカ全土40ヶ国以上に出張経験がある地域エキスパートもいれば、弁護士資格を持つ人もいます。多彩なスキルやキャリアを持つメンバーと一緒にどんな仕事ができるのか。現地に旅立ち、アフリカでの新たなスキルを身に着けることが、今から本当に楽しみです。
人と違う道にこそ価値がある “三井物産力”を引き継いでいきたい
5年後、10年後に何をしたいかと質問されると、正直、答えに窮します。ただ、日頃意識しているのは、「いま、世の中に求められている価値」が何か。アンテナを高く張り、時代と共に変容していくバリューチェーンの変化の溝を埋める役割を担えるように、多様なスキルと経験を身に付けるよう心がけています。 世の中の価値観やバリューチェーンが急速かつ大幅に変化し、それに伴ってキャリア観や求められるスキルが大きく変わってきていることを肌で感じます。いまや、普遍的なキャリアコースもなくなってきているとすれば、「人と違う道」を歩むことにも価値があるのではないかと私は考えています。 自分が歩むキャリアを「道」だとすると、スキルは「乗り物」だと思います。特別なスキルを持っている人は、その乗り物に適した道を自ら選ぶことができるのかもしれませんが、道は必ずしも自分だけで見つけたものでなくてもいいのではないでしょうか。 自律的キャリアを重んじ、社員自ら手をあげ多様な分野に挑戦する機会を用意してくれている三井物産において、私のように偶然巡り合えた道を歩きながら、道に合わせて乗り物をカスタマイズしていくように、場面ごとにスキルを身につけていきながらキャリアを歩むケースもまた一つです。 今はアフリカビジネスを担う方々から自分もその一員として認めてもらうことが目標です。ある種、「偶然のキャリア」を通じてさまざまなスキルや業界に出会える機会がある。それも三井物産の多様性の一つなのかなと思います。