入社の決め手は「社員一人ひとりの熱量」
私は、2011年に三井物産に入社しました。当時日本のものづくり業界が活況で、「日本でいいモノを作り世界に売っていきたい」と、電機や自動車、繊維、ソフトウェア関連などのメーカーを中心に就職活動をしていました。
最初は総合商社のことをよくわかっていませんでしたが、会社説明会や社員との対談イベントに参加する中で、「商社はビジネスモデルを作る会社なんだ」と理解できました。メーカーがモノを作って売るのに対し、総合商社は「そのモノを使ってビジネスモデルを作る」と。総合商社の事業も広義で言えばものづくりに繋がるかと思い、興味を持ち始めました。
一番の決め手は、社員一人ひとりから熱量を感じたことです。イベントなどで社員が「自分が担当している案件にはこういう課題があるけれども、何回も出張に行ったり、現地に長期間張りついたりする等あらゆるアプローチを重ねて 、なんとかやりきっているんだ」という話を熱心に語る姿が強く印象に残りました。
また、三井物産は選考の過程で、社員との対話で面接が進んでいく感覚がありました。他社の面接では「質問のための質問」をされているような違和感を覚えたり、社員の温度感がつかみにくかったりもしましたが、三井物産の面接は自然体で、自分の話したことに対して興味を持って質問を重ねてくれました。対話を通じて人を見てくれているという感覚を持てましたね。
実際に入社して、そういった社員への印象はどうでしたか?
実際に入社しても、印象は変わらず社員の皆さんは熱意がある人たちばかりと感じました。若手社員のころ、あまり言葉の通じないアフリカで、上司が現地の官僚に対して、自分たちのインフラ事業の意義を一生懸命身振り手振りも交えながら伝える姿を目の当たりにしました。自分もこんな熱量を持って営業をしていきたいと思って目標にしてきたロールモデルです。
それから、三井物産には熱意のある社員たちが年次やポジションに関係なく、素直に自分の思いや考えを言える社風があります。先日、私が採用企画室の室員たちと一緒に外部の会合に出たときも、室員それぞれが「私はこう思う」「自分はこういうことを聞きたい」とどんどん話すので、室長である私の存在感が薄くなってしまうんじゃないか、と心配したくらいです(笑)。
培った専門性をあらゆる事業に生かしていける人を採用したい
2011年に入社してからの主な経歴を教えてください。
入社から3年半、インフラの事業開発を行うプロジェクト本部でアフリカ地域を担当し、ガーナやモザンビークで発電所の建設や港湾の整備といった新規案件開発を経験しました。
次にカナダに3年間駐在し担当したのが、発電所の事業運営です。先進国でインフラを安定的に稼働させなくてはならない環境で、アフリカとはまた違った大変さもありました。
帰国後は、東京の本店(本社)で国内担当部署に配属され、再生可能エネルギーの電力を効率的かつ安定的に供給・活用していくための次世代インフラ事業に携わりました。
2022年からは人事総務第一部のキャリア採用を担うチームリーダーになり、2025年10月、新卒・キャリア採用の両方を統括する採用企画室長に就任したという経緯です。
これまでのキャリアの中で、最も印象に残った経験は何ですか?
カナダで仲間のリストラに立ち会った経験が、私の価値観や人との向き合い方に大きな影響を与えました。カナダの発電所事業を売却する際に、その事業を管轄していた現地の事業会社を畳むことになり、その会社で採用した方々をリストラするという仕事に直面したのです。
交渉を誠心誠意行いながら、会社の立場を明確に話す必要もあり、複雑な気持ちを抱えながらの仕事でした。それでも直前まで一緒に働いていた仲間の気持ちを理解しようと努めたことが伝わったのか、「いろいろあったけれど、最後に井関さんと働くことができてよかった」と言われたことは、うれしかったですね。
事業の始まりから終わりまでを経験し、人の気持ちの機微を感じ取るようになったという意味で、仕事人としてだけでなく、人間としての幅を広げられたと感じた出来事でした。
そうした経験を経て、社員と接する際に心がけていることは何ですか?
ありきたりな言葉ですが、その人の立場になって考えることです。ただ、なりきることには限界があるため、まずは一対一の対話の中で、その人の価値観を受け入れていくことが大事だと思っています。相手と自分の間に違いがあることを認め合いながらも、お互いが受容し合うことが大切です。
採用企画室長になってからも、室員それぞれのことを理解し、やりたいことを引き出していくため、自分から皆の中に入っていこうと心がけています。これまで私はキャリア採用を担当し、新卒採用に関する知見が少し不足していると感じているので、「郷に入っては郷に従え」という言葉のように、自らチームメンバーの輪に入っていき、分からないことは担当者にどんどん聞いて教えてもらい、吸収していっていますね。
新卒採用のウェブセミナーも全部見て、担当者や社員がどんなことを話しているのか、どういう学生が参加しているのかを把握したうえで、自分ならではの意見を言うことを大切にしています。
採用企画室長として、取り組んでいきたいことを教えてください。
私自身は新卒の時に三井物産の新卒採用を経験し、直近ではチームリーダーとして三井物産のキャリア採用に携わってきました。これからは採用企画室長として三井物産の新卒・キャリア採用どちらにも関わり、自分の中で考えてきた「人材とは何か」「多様性を力にするとはどういうことか」といったことを形にしていきます。
AI(人工知能)が進歩しているからこそ、AIにできない部分を担う人の価値が改めて強く問われる時代です。一人ひとりの人間性をよりしっかり見ていく採用をしていきたいと思っています。
三井物産の社員の強みは「自由闊達」「挑戦と創造」という社風のもと、それぞれの個の力を引き出し合いながら事業を進めていることです。そうした価値観を大事にしてくれて、「やってみよう」「面白そうだ」と感じる好奇心や、一度やった以上、最後までやり抜こうとする強い意志を持っている人を採用したいですね。そういう人は、きっとそれぞれの個性や培ってきた専門性を、あらゆる事業に活かしていけると思います。
三井物産は多様な経験を通じて人を育てる文化
その土地ごとに根ざした世界中のネットワークを活用し、さまざまな事業領域で産業横断的に活かしていける総合力があります。社長の言葉でいう「縦の専門性」と「横の連携」ですね。
こうした中で多様な個性が交わって社会課題の解決に向けて進んでいけるので、社員が人として成長できる環境があります。そして、それぞれ強い個性をもつ社員を、柔軟に適材適所で配置できる組織力も強みです。
働く環境・働き方に関して、特徴的なものはありますか?
フレックスタイム制やリモートワーク、社内転職制度などのハード面が整っていることに加え、大きな特徴は、2024年7月に施行された新人事制度です。社員一人ひとりが転勤の有無を「Global」(国内外の転勤可)または「Regional」(採用地の勤務に限定)として定期的に選び直すことができ、社員の意思が尊重される制度が導入されました。これは商社としてはめずらしい仕組みです。
社員に対しては自律的なキャリア形成を促し、短期・中期・長期でキャリアプランを考え、それを年1回、上長と面談して話す場が必須で設けられています。各社員にとって、自分のやりたいことを見つめ直したり、1年前からの成長を振り返ったりするいい機会となっているのではないでしょうか。
とはいえ、社員の希望がそのまま通るとは限りません。社員が見えている仕事の範囲が必ずしも全てではないので、一人ひとりの社員の視野を広げ育てていくために、本人が希望していなかったポジションを提示することもあります。
実際に私もかつては、「アフリカに駐在したい」「インフラ事業に人生をかけるんだ」と考えていましたが、本店に配属され、国内の事業や人材採用に関わることになりました。内示を受けた時は驚きましたが、自分が希望していなかった仕事も経験したことで商社パーソンとしての幅が格段に広がったのを感じます。
三井物産の一員としていろんな役割を果たしつつ、会社の環境を活用していけば、多様な経験を通じて成長できるということを伝えたいですね。
ほかにも社内転職制度や、海外で所属部門に関する実務を学ぶ海外研修員制度など、多様な経験を通じて人を育てる制度が特徴的です。
職務グループ(BD/BI/CE)について詳しく教えてください。
三井物産は2024年7月から始まった新人事制度で、主に事業開発を主導する「担当職」、主にビジネスプロセスを担う「業務職」という枠組みを廃止し、改めて「総合職」として一本化し、その中に「BD(Business Development:フロントとして当社事業を遂行)」「BI(Business Intelligence:ミドルオフィス業務を担当)」「CE(Corporate Excellence:コーポレート機能を担う)」という3つの職務グループを設けました。
「目立つ人が一番大事」ということではなく、三井物産の「一人ひとりを大切にする」という社風が、新人事制度にも表れていると思います。
職務グループは入社時にいったん決まりますが、本人の適性や職務内容に応じて柔軟に移行することができます。これは、あらゆる職務グループを経験し実力をつけた人が管理職になるという人事制度の考え方に基づいています。
実際に私の例でお話しすると、アフリカでのインフラ開発はBDにあたる仕事でした。その後カナダでは、事業の財務分析というBIのような業務も経験しました。請求書の確認、出向している事業会社のITサーバーのメンテナンス等も担当しましたね。そして今は人事というCEの仕事をしています。このように私自身もBD、BI、CEという3つの仕事を一通り経験したことが、現在、管理職として3職務グループの社員をマネジメントする際に役立っています。
候補者へのメッセージ
志を持って社会課題を解決しよう
新卒採用・キャリア採用にチャレンジしたい候補者の皆さんへメッセージをお願いします。
私たちは好奇心や、やろうと思ったことをやり抜く強い意志を持っている人と一緒に働きたいと思っています。そのうえで人生をかけて自分で何かを獲得してきた経験、そして自分で考えて本質をつかむ力も持ち合わせている方が三井物産にフィットすると思います。こうした力を持つ人であれば、私たちと一緒に志を持って社会課題を解決していけると信じています。
ただ、入社前に自分の志を明確に持っていなくてはいけないとは考えていません。ぜひ入社後に多様な経験を積むことで志を持ち、活躍できる人材になってほしいと思っています。
※本記事の内容は2025年12月時点の情報です。