自分にしか出せない価値を追求
ミドルオフィスからフロントへ
ビジネスの最前線で新事業をつくりたい
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清水 奏
Kanade SHIMIZU
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モビリティ第二本部マリンソリューション事業部
海洋エネルギーソリューション室2017年入社、主にBI(Business Intelligence)の業務に従事後、2023年からはBD(Business Development)の業務に従事。
コアスキルは貿易実務と会計など。
三井物産では、働く人たちの活躍の可能性を広げ、能力を存分に発揮してもらうための選択肢を幅広く用意しています。入社後に主にBI(Business Intelligence)のミドルオフィス業務に従事後、事業開発を主導する役割に移り、活躍のフィールドを広げた清水奏さんに、仕事への思いやキャリア観について語ってもらいました。
選択肢を広く持っていたい
私が就職活動を始めた時は総合商社を意識することはあまりなかったのですが、たまたま、ある就活イベントで三井物産の社員の方とお話しする機会を得たことで考えが変わりました。その方が驚くほど多彩なキャリアを歩んでいたことに驚き、興味を持ったからです。
当時の私にとっては、業界や企業を絞り込むだけでも大変でした。自分が何をやりたいのか、どんな仕事に向いているかについては考えていましたが、実際に働いてみなければわからないことも多いはずだと思ったからです。総合商社であれば幅広い業界や業務に携われるチャンスがあるうえ、三井物産では意欲を持つ人に多くの選択肢が用意されています。そんな自分のキャリアを主体的に決められるチャンスがある点を魅力的に感じて、三井物産への就職を決めました。
最初に配属されたのはモビリティ第二本部で、一般商船の売買を担う部署でした。ミドルオフィスを担当するBI業務に従事し、フロントを担当するBD担当者が決めてきた契約の内容に沿って必要な書類を入手・作成し、入出金の実務を行います。取引の対象となる船は数十隻から百隻以上にも及び、一度の取引で何十億円という金額が動くことも。海外企業とのやりとりも多く、同時に複数の案件に対応しながら、スケジュール通りに入出金を完遂させられるかを管理するのは気を遣う業務でした。
契約した船が数年の時を経て無事にデリバリーされていくのを確認すると、大きな達成感を覚えたものでした。
ドバイ勤務で経験した正解のない仕事
入社して3年が経とうとするころ、コロナ禍が世界を襲いました。公私ともに人との関わりが制限されたことで、私自身も閉塞感を覚えるようになりました。商船取引の実務にある程度自信がついてきた時期だったことも重なって、社内外を問わずもっと視野を広げて異なる事業、新しいことに挑戦してみたい、できるなら日本を飛び出してみたいという思いが募ってきたのです。そこで、海外派遣研修制度に応募することを決めました。
派遣先の国だけでなく、他の国や地域拠点とも幅広くコミュニケーションをとりながら仕事の幅を広げたいと思い、さまざまな文化圏の結節点であるドバイを希望したところ、念願かなって在ドバイの中東三井物産業務部に派遣されることになりました。
当時はちょうど海外拠点を再編するタイミングで、ドバイ拠点も欧州の管理下を離れて独立し、中東アフリカブロックの各拠点を統括する立場に変わったところでした。私が配属されたチームのミッションは、中東アフリカブロックの体制を構築し、内部統制や組織運営のしくみを整えることと、新しい戦略策定を進めることでした。
そこで、中東とアフリカの各拠点に出張し、組織運営の現状をヒアリングして改善点を議論しました。また、本店のさまざまな事業本部や海外拠点、時には現地のコンサルタントとも連携しながら、提案や戦略を一つひとつアウトプットしていくことを繰り返しました。私が所属していたドバイの業務部はどこの事業本部にも属さないため案件ごとに異なる部門と連携していく必要があり、以前の業務とは比較にならないぐらいたくさんの人たちを巻き込みながら組織戦略を打ち出していくことが求められました。
ドバイに来る前の私の役割は目の前の取引を滞りなく進めていくことで、クリアすべきタスクが明確だったのに対し、ドバイでの仕事はまるで性質が異なります。課題そのものを自身で発見していく必要があるうえ、その課題に対しても唯一の正解があるわけではありません。よりよく事業を回していくにはどうしたらいいか、持ち上がったアイデアをどう形にしていけるか、私がリーダーだったらどうするだろうか――。そんな山のような課題を常に突き付けられ、答えを求められる環境でした。
この仕事を通して、三井物産には自分が思っていたよりもずっと多くの事業があり、それぞれに強みがあることを改めて知ることができました。そしてなにより、まるで転職したように感じるほどの新しい環境下で、自社の強みを活かした戦略をゼロから描いていく仕事はとても刺激的で、忘れられない経験になりました。
「自分も『最前線』に立ってみたい」
帰国後の配属先は以前と同じモビリティ第二本部でしたが、それまでとはまったく異なる仕事を担うことになりました。海運業界の脱炭素に向け、船舶の燃料転換を目指す新規事業開発のチームの一員になったのです。
舶用燃料として広く使われてきた重油を、温室効果ガスの排出量を減らせる代替燃料に転換していくためのプランを考え、事業化していく仕事でした。
正解のない課題に挑む面白さをドバイで経験し、帰国して再びチャレンジングな目標に向き合う中で、私の中に新しい意欲がわいてきました。自分自身も「最前線」に立ってみたい、顧客やパートナー企業の方など多くのステークホルダーと直接議論して、新しい価値を生み出してみたいと強く思うようになったのです。
失敗を恐れず思い切って挑戦しよう
こうした想いを抱く中で、フロントで事業開発を推進するBusiness Development業務に挑戦したいことを表明し、そして無事にBD業務に従事することになりました。まさかすぐに業務を変えられると思っていなかったので驚きましたが、認めてもらったからには期待に応えたい。これから始まる新しいチャレンジに、ワクワクする気持ちでいっぱいになりました。
BD業務に従事後、舶用燃料に関する戦略策定とその実行のための体制づくりを担いつつ、日々具体案件の創出・推進に取り組んでいます。三井物産としての既存事業を維持しながら新たな価値創出に向き合い、大きな社会課題の解決に関われることを、とても誇らしく感じています。また、新燃料の活用を推進していくために有力な技術やビジネスを持つ企業に投資するための調査や選定、交渉などの業務にも挑戦しています。
キャリア
2017年 | 大学卒業、三井物産入社。 モビリティ第二本部に配属となり、 国内船主向けの船舶売買における契約履行を担う。 |
2021年 | 海外派遣研修員としてドバイの中東三井物産(株)業務部に異動。 中東アフリカブロックの組織運営・体制構築に携わる。 |
2022年 | モビリティ第二本部に帰任。海運業界の脱炭素に向け、船舶の燃料転換に資する新規事業開発を行うチームに所属。 |
誰とも比べられない存在でありたい
私が仕事をするうえで大切にしていることは、組織で最大の成果を得るために自分が創出できる価値は何かを明確にすることです。
自分がアサインされた仕事に関しては、常に自分はこのチームにどんな価値を提供したいのかを考えるようにしています。実際にできるかどうかはやってみなければわからないこともありますし、迷ったり失敗したりすることもたくさんあります。そんな時は素直に周囲の人たちの意見やアドバイスを求めながら、自分にできることを愚直に実行しています。
三井物産は幅広い領域で多彩なビジネスを展開する企業です。私はその最前線で新しい事業に挑み、収益化していく役割を担う立場ではありますが、こうした事業をスムーズに回していくために必要な組織体制をつくっていくことも同じぐらい重要だと考えています。最近は、こうした二つの役割を両輪で実行できる人材になりたいと考えるようになりました。
トレーディングの実務から、内部統制、戦略策定や投資といったさまざまな業務を経験したからこそ、異なる立場の人やチームのことを理解したり、気づけたりすることが多くなりました。それは私の強みにつながるはずです。この強みをさらに磨いて、異なる部門や部署、本店と地方・海外拠点、本店とグループ会社など、さまざまな組織や人をつなぐ架け橋となり、連携を深めることで、描いたビジョンを着実に実現できる組織をつくりたいと考えています。
尊敬する人はたくさんいるけれど、ロールモデルにしている人はいません。自分にしかない強みを活かした価値を発揮し、誰とも比べられない、独自のポジションを築いていくことが私の目標です。