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DX部門も経験、組織力強化に貢献

 

自分らしいリーダー像を目指し、 ロジを着実に回して業務の効率化も実現へ

仙波 綾香

Ayaka SENBA

食料本部食品原料部コーヒー室 2010年入社、現在はBI(Business Intelligence)業務に従事。 コアスキルは貿易実務スキル、業務プロセス構築/改善スキルとIT(ITパスポート取得)。
三井物産で活躍する人材に、決まったタイプはありません。食料本部でトレーディングのミドルオフィス業務を担当する仙波綾香さんは、謙虚な性格ながらも的確な判断力とこまやかなコミュニケーションでチームをまとめあげ、信頼を集める存在です。チーム全体のパフォーマンス向上を目指すリーダーとして活躍する仙波さんに、これまでのキャリアと仕事に対する思いを語ってもらいました。

細かな情報共有とコミュニケーションで
状況を把握

学生時代は、アメリカンフットボール部のマネージャーを務めていました。選手たちが良いコンディションのもと、最高のパフォーマンスを発揮し続けるためにはどうすればよいかということについて知恵を絞り実行していくことに、やりがいと誇りを感じていました。 当時から私は自ら先頭を走るタイプではなく、強い志と高い目標を持つ人と同じゴールを共有し、チーム全体のために役割分担をしつつ目標達成に貢献するような役割が向いていると思っていました。 自分の進路に対しても、営業のフロントに立つような仕事より、専門知識をもとにビジネスプロセスの確実な実行を担う仕事が自分の強みを発揮しやすいと感じ、三井物産に応募しました。総合商社の仕事を具体的にイメージできていたわけではありませんが、幅広い領域を扱う会社なので自分に合った仕事もきっと見つかるのではないかとも思ったのです。 最初に配属されたのは、主に鶏・豚・牛などの畜産用や養殖魚など水産用の飼料の原料を取り扱う食料本部飼料畜産部飼料原料室でした。飼料の原料には大豆から油を搾った後の大豆ミールや、トウモロコシからコーンスターチを製造する際に発生する副産物であるコーングルテンフィードなど、たくさんの種類があります。こうしたさまざまな飼料原料を国内だけでなく海外のメーカーからも調達し、それを国内の配合飼料メーカーに販売する際のミドルオフィス業務を担っていました。 こうした業務の多くは、契約交渉等を遂行するフロントの担当者とペアを組んで進めていました。フロント担当者が決めてきた取引を、着実に実行していくのが私たちの役割です。船積みの具体的なスケジュールを現地サプライヤーと調整し、必要な書類を入手して入金確認や支払いを行ったり、国内に輸入する際の通関業務を専門部署と連携しながら進めたりします。また、輸入した貨物を国内各地に在庫しておき、オーダーに応じて納入するデリバリーも実行しました。
こうしたトレーディングオペレーションの仕事で最も重要なことのひとつに、丁寧なコミュニケーションがあると思っています。コンビを組むフロント担当者とはもちろんですが、他の商品を担当する人たちとも常に最新情報を共有することを意識していました。取引先が共通していたり、ある商品の在庫変動が別の商品の在庫や需要に影響したりすることもあるので、全体の状況を把握することはとても重要だからです。 年次が上がるにつれて、通常の業務とは別に、新規商材を扱う際の立ち上げ業務や、チーム内の新規プロジェクトでオペレーションのプロセスを設計・構築する仕事も任されるようになっていきました。

コーポレート部門に社内出向し、
DX推進を経験

入社12年目を迎えた年、私に大きな転機が訪れました。全社的なDX推進を担うデジタル総合戦略部に、食料本部の代表の一人として異動するメンバーに抜擢されたのです。 この異動の背景には、私が在籍していた食料本部がデジタル総合戦略部と協働して、本部全体のトレーディング実務を効率化する取り組みが進んでいたことがあります。取り組みをさらに加速させるためには、システムの構築に現場の実務をよくわかっている人材が加わる必要があることから、トレーディングのミドルオフィス業務を長く担ってきた私に白羽の矢が立ったのだと思います。 当時はまだ手作業やファクスでの通信が残る業務も多かったので、まずはRPA(Robotic Process Automation、事務作業を自動化できるソフトウェアロボット技術)を活用してこれらの業務を自動化することになりました。一つひとつの業務プロセスを洗い出したうえで、どの作業をどこまでロボットに任せられるかを営業部とデジタル総合戦略部のメンバー、RPAを構築してくれる開発者の方たちと議論を重ねました。 せっかく新たな業務プロセスを作っても使い勝手が悪くて活用されないということのないよう、ユーザーとしての立場から要望や改善点を提案し、反映させていきました。また、食料本部全体に営業支援ツールを導入し、浸透させていくための業務も担いました。 今振り返っても、デジタル総合戦略部での2年間は、私のキャリアにとって重要な期間だったと思えます。それまでは所属する食料本部の目線しかなかったのが、一段高い視座を持つことができるようになったからです。 ここで気づいたのは、目線や意識が変わるとそれだけで頭に入ってくる情報が変わるということです。それまで接点がなかった職種の人たちと同じ目標を共有して走れたことも、今後の仕事に活かせる大切な経験になりました。

グイグイ引っ張るだけがリーダーシップではない

デジタル総合戦略部でのミッションを終えて食料本部に戻ると、今度は食品原料部コーヒー室に配属されました。コーヒー室は複数のチームで構成されており、その中には契約や調達を担うチームとその後のロジスティクスを担当するチームに分かれています。この新しい職場で、私は産地から客先までのロジスティクスを担うSCML(Supply Chain Management-Logistics)チームのリーダーを任されることになりました。 この時は、果たして自分がリーダーなんてできるのだろうかと戸惑い、不安でいっぱいになりました。リーダーはメンバーをグイグイ引っ張っていくタイプの人が担うものだと思っていたので、自分にはまったく向いていないと感じたからです。 それでも、この異動を機に社内のリーダーシップ研修を受けたことで、考えが変わりました。私が思っていたようなトップダウン型のパターンはリーダーシップのひとつではありますが、それだけでなく多様なリーダー像があることを学びました。 私はこれまでの業務を通して、さまざまな立場の人や組織の間を調整しながら丁寧なコミュニケーションを積み重ねてきたという自負があります。それが私の強みでもあるのだから、この経験を活かして自分らしいリーダーを目指せばいいと思えるようになりました。 メンバーが情報を共有しながら協力し合える関係を構築し、働きやすい環境を整えることで、チーム全体のパフォーマンスを向上させられるリーダーを目指して、チャレンジを続けているところです。
SCMLチームは、同じ業務内容の総合職社員と派遣社員、嘱託社員、協力会社から当社へ出向中の社員など12名で構成されています。産地や販売先によって担当を分けており、メンバーにはそれぞれに相互に関わる同僚はいますが、これまでのようなマンツーマンだけの働き方ではなくなりました。 SCMLチームが担う業務は、輸入先から船積みのタイミングを調整し、販売先や在庫先に届けるまでのロジスティクス全般にわたります。需給やビジネス環境が変化しても安定的な物流を実現し、適切な業務プロセスを実行しながら関係国の法令改正などに対して適切な対応を取っていくことが求められます。 コーヒーは産地やシーズン、そして営業戦略によっても流通する量が大きく変わります。杓子定規の担当制ではメンバーの業務量に大きな差が出てしまうので、買付や調達の担当者と連絡を密にして柔軟にフォローし合える体制を作るのが足元の目標です。

キャリア

2010年 大学卒業、三井物産入社。食料本部飼料畜産部料原料室配属。 畜産・水産向け飼料原料の輸入業務や国内デリバリー業務など実務を担当。
2017年 第一子出産、育児休暇を取得。
2018年 飼料原料室に復職。
2021年 デジタル総合戦略部へ異動。同じタイミングで異動したチーム員と共に食料本部のトレーディング 業務改革・効率化プロジェクトを推進。
2023年 食品原料部コーヒー室へ異動。 産地から客先までのロジスティクス実務を担うSCMLチームのリーダーに。

トレーディング業務の効率化、
自動化を進めたい

ロジスティクスを着実に回していく通常業務とは別に、私は業務プロセスのさらなる効率化にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。それは、業務のさらなる効率化です。デジタル総合戦略部で業務のDXに関わった経験から、効率化できる作業や自動化できるプロセスはまだまだあることが見えてきたからです。 人手に過度に依存することなく一定以上の品質を保つ効率化を実現することで、メンバーが事業成長につながる攻めの戦略やイレギュラー対応にリソースを割ける組織体制を作りたいと思っています。 三井物産でのキャリアを通して自分自身の可能性が広がり、ありたい姿や実現したい目標を持つことができました。効率化に成功したら他本部とも連携し、会社全体の組織力を強くしていくことにも貢献したいと思います。

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