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Pick up the Project of Profession Vol.1 : エネルギーソリューション本部

グローバルな視点や視野を広げたい。前職で培ったスキルでゼロからの新規事業開発に挑む

キャリア採用で入社して活躍している社員に、取り組んだプロジェクト事例を深掘りしながら、前職で培った“Profession”(専門性)をどのように活かして三井物産で“知的化学反応”を創り出しているのかをひもとくシリーズ「Pick up the Project of Profession」。
第1回に登場するのは、エネルギーソリューション本部 室長補佐の大瀬戸光子さんです。
国内電力会社、外資系コンサルティングファームを経て三井物産に入社した彼女は、これまでのキャリアをどのように活かして高いバリューを生み出しているのでしょうか。

エネルギーソリューション本部 室長補佐 大瀬戸 光子さん

2011年に新卒で国内電力会社に入社。海外発電事業の投資管理を担当し、三井物産との共同事業に携わりマレーシアに駐在。その後、外資系コンサルティングファームで電力・ガス領域を担当し、2021年に三井物産株式会社入社。現在は同社エネルギーソリューション本部で室長補佐として活躍している。

グローバルな視点でエネルギー業界に携わるためのキャリア戦略

まずは三井物産入社前のキャリアを伺います。国内電力会社では、どのような業務を担当していたのでしょうか?

国内電力会社では、営業所配属を経て、本社でマレーシア大手電力会社及び三井物産と共同で出資する石炭火力案件への投資管理を担当しました。その後、同案件の担当としてマレーシアの現地事業会社に3年弱出向し、主に取締役会対応、事業会社の商務対応、建設時のトラブル対応、プロジェクトファイナンスのレンダー対応等、大型国際プロジェクトの一連の流れや基本的なスキルセットを学ぶことができました。
特に良い経験だったのは、三井物産から出向していた室長補佐の方や部長クラスの方と毎日のようにお仕事をさせてもらって、現地の方たちとの関わり方を学べたことです。
建設中のプロジェクトでは日々困難な課題が発生しますが、三井物産は、自分たちのネットワークから現地で生の声を拾い、情報を取ってきて課題解決し、プロジェクトを推進します。
現地特有の複雑なネットワークや慣習にも精通しており、絶えずいろいろな人に会いに行きながら事業を前に進める姿がとても印象的で、刺激を受けました。

前職でのマレーシア駐在時(2018年撮影)

当時から三井物産との関係があったのですね。その後、外資系コンサルティングファームに転職された理由は?

駐在で経験した海外案件がとても面白かったので、将来的には三井物産に入りたいと思っていたんです。そのためにはもっと自分を鍛えたり、グローバルな視野でエネルギー事業を見る視点を養ったりする必要があると思い、コンサルティングファームに入社しました。
コンサルタントは、クライアントからお金をいただいてサービスを提供する仕事ですから、そこでプロフェッショナルとしての知見や提案力が身に付くと考えていました。
提案のためには、業界内の膨大なデータを集めて、整理して、ロジックを組み立てる必要があるので、そのための分析力も鍛えられたかと思います。
またコンサルタントは国内に限らず、エネルギー業界をグローバルに俯瞰して提案するので、マクロな視点でエネルギー業界を捉えられるようにもなりました。

コンサルタントを1年半経験して、なぜそのタイミングで三井物産に転職されたのでしょうか?

その頃にはコンサルタントとしてある程度自立して提案ができる力・自信が身に付いていたので、これなら三井物産に行ってもバリューが出せるかもしれないと思ったからです。
またコンサル業界ではワークライフバランスを保つのが難しいと感じたため、将来的に長く働き続けることを考えての転職でもありました。

海外投資案件を経験し、ゼロスタートの戦略立案へ

2021年に三井物産に入社されて、どのような業務を担当してきましたか。

入社後はインドネシアの分散型太陽光事業者の出資を担当しています。
インドネシアの案件では、初めてプロジェクトマネージャーとして案件のデューデリジェンスを行い、契約交渉を進める業務を経験しました。無事に新規出資が実現して、現在は事業管理を行うフェーズになっています。
そして私の今の最大のアサインメントは、新規事業を探し、実現していくこと。具体的にどの領域に投資するのかを定めるために、戦略を立てているところです。

新規事業の立ち上げは、実際にどこまで携わるのでしょうか?

ゼロから自分たちで市場を探し、戦略も含めて全てを考えています。脱炭素に関する市場でコストを考えた時の現実解や、不透明性が高い業界の今後をどう読んで、どれくらいのリスクを取るのかなど、部としての投資戦略、攻め筋を考えていくイメージですね。
そもそも投資案件をゼロから立ち上げていくべきか、それともある程度成熟したプレイヤーに投資すべきか。電力に限らず、例えばモビリティーに関する業界にも目を向けた方がいいのではないか。そんなさまざまな視点から、戦略を作り上げていくのが今の私の役割です。

これまでのキャリア
新規事業で、特に難しいポイントはどこでしょう。

不透明性が高い事業領域の中でのチャレンジなので、そもそも社内で応援してくれる存在を作るのが大変ですね。
注目している領域の面白さや信念、そして利益が出せるかどうかを社内に伝えて、納得してもらえる材料を集めるのが一番難しいポイントです。「100%確実ではないけれど、こういった理由で利益が上がるはずだ」と、データを用いて説明、説得しなければならないので。世に出ている定量的なデータだけではなく、現地とのネットワークや、実際にプレイヤーと会話して集めた生の声などを分析して、説得材料にしています。

メンバーと管理職の「緩衝材」として組織を盛り上げたい

現在は室長補佐として、マネジメントも担当されています。マネージャーとしての役割についても教えてください。

案件によっても変わりますが、日頃は2名ほどのメンバーをマネジメントすることが多いですね。私はもともと自分で仕事を抱えてしまうタイプなので、意識的にメンバーに任せられるようにはしていて、いかに前向きに気持ちよく働いてもらうかを常に心掛けています。
また今の室長補佐というミドルのポジションの面白さも日々感じていて、室長と室員の間の緩衝材として、やりたいことをどんどん上に挙げつつ、下も育成する、そんな組織を運営していく中での役割を意識しているところです。
そのようなポジションに30代で就けるのは他の会社では味わえなかったので、とても良い経験だと感じています。

コンサルタント時代は、ワークライフバランスを取るのが難しかったとのことですが、現在はいかがですか?

もちろん案件によって忙しい時期はあるものの、ワークライフバランスは保たれていると感じています。
特に昨年結婚してからは、プライベートの時間を意識するようになったので、平日の業務時間中に集中して働いています。周りを見ても、一昔前の総合商社のように「休まず働く」といったイメージはありませんね。

新しい環境で、自身のキャリア成長を改めて意識できるように

改めて、転職したからこそ、今の仕事に活かされていることは何だと思いますか?

前述した電力エネルギー業界に対する知見、大型国際プロジェクトの経験、情報の収集分析力を活かせる場面が多いです。
私はこれまで一貫して電力エネルギー業界に身を置いてきたので、その知見を共有して、チームの知識を底上げするような時に役立てているのかなと思います。
またプロジェクト経験では、例えばデューデリジェンスの際のポイントや、実際にジョイントベンチャーに出向して際の経験からも株主間の契約書ではどこが重要になるかなど、プロジェクトを進めるための基礎的なスキルセットを身に付けてきました。
適切な投資先を見つけるために、データを収集分析して、アウトプットを出すプロセスは、コンサルタントの経験が活かされています。

これまでの知見や経験を持って三井物産に入ったことで、得られたものは何ですか?

今まで自分が気付けていなかった、エネルギー業界に対する視点や視野を広げることができたと思います。
また新しい環境に身を置くことで、自身のキャリアをより意識するようにもなりました。自分自身の成長を意識しながら、会社にもっと貢献していきたいと思えたのは、転職したからこそ得られたものだと思います。

三井物産で活躍したいと考えている人に向けて、ご自身の経験からアドバイスできることはありますか?

入社前は、三井物産は優秀でレベルが高い会社というイメージが強くて不安でしたが、結果的にチャレンジしてよかったと思っています。転職して活かせるものがあるのだ、と自信もつきました。
一方で、受け身の姿勢では何も生まれません。自分の知見や経験だけではなく、どう事業に転換するかを考え続けることと、いろいろな人や業界に興味を持って常にアンテナを張っておくような姿勢は求められていると感じますね。 そんな自律的な気持ちがあれば、三井物産は今まで持っていたスキルをさらにグレードアップできる会社でもあります。
社内にはプロフェッショナルな方たちがたくさんいて、私自身も一緒に話していてとても面白いですし勉強にもなります。転職してからさらに自分を高められるという、ワクワク感を持って入社してほしいですね。

チームでバリューを生み出す、高い専門性とスキルセット

大瀬戸さんの上長にあたるエネルギーマネジメント室長の安藤誠さんと、同僚の同室室長補佐の駒月新也さんにも「大瀬戸さんだからこそ生み出せたバリュー」について話を聞きました。

安藤さん:新しく立ち上げたエネルギーマネジメント室に、私の右腕のようなポジションで入社してくれた大瀬戸さん。当室は電力業界の先進的な分野を扱っており、彼女の電力分野に関する深い専門知識と経験を武器に即戦力としてバリューを出していただいています。
コンサルティングファームで培われた高いリサーチ力やアウトプット力、そして彼女自身の基本能力の高さが、高い成果に繋がっていると感じますね。

駒月さん:大瀬戸さんの高い専門性に助けられていることはもちろん、キャリア入社者として組織に新しい風を吹き込んでくれていると感じます。
彼女は物事の考え方ややり方をオープンに話してくれますし、ディスカッションポイントを簡潔にまとめて議論の場を作るのも得意。その気さくな性格もあり、周りをうまく巻き込みながら事業のストーリーを作っている姿には、私も日々刺激を受けています。

エネルギーマネジメント室長 安藤誠さん(写真右中央) 同室 室長補佐 駒月新也さん(写真中央右)